リスキリングを目指すDX担当のメモ帳

データサイエンスを初歩から学んでいる筆者(DX推進担当)の学習記録です。

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか 感想

最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのかを読んでみた

大阪ガス 情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長の河本 薫さんが書いた本、最強のデータ分析組織という本を手にとってみた。



河本さんは会社を変える分析の力という本やデータサイエンティスト・オブ・ザ・イヤーの初代受賞者としても有名な方。 本書は河本さんの口から、大阪ガスがどのようにして日本最強と目されるデータ分析組織を立ち上げることができたのか、その立ち上げ経緯と成功の秘訣が語られた本だ。

 


最強のデータ分析組織”の発足から現在まで約18年間の月日がかかったのだという。その過程をトレースすると、いかに会社の役に立つ分析組織を作るのか、という問題意識の元に、全く信用の無い状態から相談できる社内のビジネスパートナーという立ち位置まで、相当な苦労をしながら取り組んでこられたことが分かる。

 


個人的には、明確な目的意識を持たずに他社の成功事例をいたずらに真似て、ツールなどの初期投資にお金をかけてしまうことの愚を改めて思わされた。

 

また、ビジネスアナリシスセンターが、事業から予算をだしてもらって(スポンサーになってもらうということだそう、)独立採算で運営がされている、というのも参考になった。

 

前著と同じく、真に業務部門から必要とされるデータ分析組織の立ち上げに、河本さんが取り組んでこられた内容は非常に勉強になりそう。

 

データ分析組織の立上げの現場にいる者として、会社に貢献できる組織を作ってゆくために感謝の気持ちをもちながら繰り返し読ませてもらいたいと思う。

 


(3/31追記)

日経XTECHが3/30に配信したところによると、「日本一有名なデータサイエンティスト河本氏が大阪ガス退社、大学教授に転身」ということで河本さんが以前から誘いのあった滋賀大学データサイエンス学部に移ることが決まったとのこと。

 

本書は大阪ガスでの活動の集大成だったのかもしれない。改めて後書きを読むと、データ分析人材の教育に並々ならぬ意欲をお持ちであることが読み取れた。

 

(5/31追記)

先日NHKプロフェッショナル 仕事の流儀 「新しい仕事スペシャル」でYoutuberのヒカキンやプロゲーマーの梅原大吾さんと一緒に筆者が登場されてました。

 

さわりという感じではありましたが、過去の修理履歴をデータベース化して、初動で修理を完了させる確立を劇的に向上させた事例が出てきており、なるほどなーという感じでした。


外部参考記事1:NHKプロフェッショナル登場の大阪ガス河本氏、放送翌日に語った分析人材育成 | 日経XTECH

tech.nikkeibp.co.jp



外部参考記事2: データ分析の専門組織 ビジネスアナリシスセンターとは!? | Daigasグループサイト

www.osakagas.co.jp



外部参考記事3: 大阪ガスが取り組んだ、日本企業でデータ分析専門チームを作り成功させる3つのポイント | Web担当者Forum

webtan.impress.co.jp


フォワード型分析者の育成の話が非常に参考になる

外部参考記事4: 自由化の乱戦を「データ」で勝ち抜く大阪ガス | 日経ビジネス

business.nikkei.com


外部参考記事5:データドリブン経営の未来 大阪ガスの最強データ分析組織を率いた立役者と元アップル本社Siri開発者が語り合う

www.dhbr.net


→本の宣伝の様でもあるのですが、元Appleのデータサイエンティスト長谷川さんとのデータドリブン経営についてのやり取りは興味深い。

外部参考記事6:データサイエンスを活用できるビジネスマン育成への挑戦 ―滋賀大学 河本薫教授インタビュー | IoTNEWS

 

iotnews.jp

 

 


最強のデータ分析組織 なぜ大阪ガスは成功したのか目次

◆第1章 ビジネスアナリシスセンターの実像
◆第2章 四種類の「人の壁」を乗り越える
◆第3章 事業部門から信頼と予算を勝ち取る
◆第4章 分析組織は経営に必ず貢献できる
◆第5章 メンバーの幸福を勝ち取る
◆第6章 十八年かけて築いた三つの無形財産
◆第7章 分析組織のリーダーに求められるもの


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