ここ最近、ビジネスの分野では人工知能(AI)やデジタルトランスフォーメーション(DX)と言ったワードが飛び交うようになりました。
これは、これまで蓄積してきたデータを上手に使って、新しいビジネスチャンスを生み出すことを目標としています。
そして、この波に乗れるよう、多くの企業がデータ分析のできる人材、いわゆる「データサイエンティスト」を募集しています。
私はこの時代の過渡期に、運よくデータサイエンティストに転職した1人です。
今日は、転職する際にデータサイエンティストに求められるスキルと、実際転職してから職場で求められるスキルについてお話します。
現在私は某コンサル会社で、データサイエンティストとして勤務しています。
業務としては、お客様に代わってデータ解析を行い、結果をまとめ、データの傾向を説明し、このような施策を打ってみてはどうかと言った提案をしています。
大きな会社のプロジェクトを左右するので、やりがいがありますし、勘と経験でやってきた人たちを、データで論破できるのも私にとっては楽しいポイントです。
とは言っても、勘と経験はバカにできず、例えば食料品等の発注量はAIを使わなくても、十分精度が出せている会社もあります。
転職する際に求められるデータサイエンティストのスキル
恥ずかしながら、私は自信満々に「データサイエンティスト」と言える器ではありません。
そもそもデータサイエンティストにはこれといった資格がなく、その人がデータサイエンティストだと言えば、誰でも(自称)データサイエンティストなれるのです。
つまり、肩書はおまけみたいなもので、実際「何ができるか」という点の方が大事ですし、転職する際も、今までどのようなデータ解析をしてきたのか、この点をアピールしなくてはなりません。
データサイエンティストの募集要項によく記載してあるスキルは大きく2つです。
① プログラミングスキル
② 経験
① に関しては、データサイエンティストならプログラミングできて当然という暗黙の了解があります。
正直プログラミングができても、導く解に意味がなければ、役立たずにお終わってしまうのですが、現状、プログラミングスキルは必須ということになっています。
個人的には、論理的にデータ分析できるのであればExcelでも良いと思うのですが、おそらく書類審査で落とされるでしょう。
データサイエンティストが知っておくべきプログラミング言語
次に必要なプログラミング言語についてですが、携わる業務によって使う言語が違います。
そのため、一概にどのプログラミング言語が良いとは言えませんが、私の所感としては、マーケティング系ならPython、システム開発ならJavaが使えると優遇されると思います。
もちろん、PythonとJavaどちらも使えるのであれば、採用率はグッと上がります。
他にもRubyやPHPがプログラミング言語としては人気ですが、データサイエンティストの切り口から考えるとPythonのスキルが圧倒的に求められるでしょう。
Pythonは文法が非常に簡単なので、他のプログラミング言語をマスターしていれば、すぐに覚えることができます。
どれくらいのプログラミングスキルが必要?
プログラミングスキルはテストでも行わない限り、採用側も図りようがないので、②として経験を聞いてくる面接官が多いです。
というのも、どの企業もIT部はあっても、データサイエンティストを集めたDX推進部はこれから発足するような段階なので、どれくらいのスキルが必要なのか、企業側もよく分かっていません。
そのため、とりあえず何かしら経験のある人を採用したいという思いが強く、経歴にそれらしいことを書いていれば、採用されるケースはあると思います。
ただ、入社してから化けの皮が剝がれるというのも、本人にとって辛い話なので、背伸びをする必要はないと思います。
何度も言っている通り、データサイエンティストはこれから需要が伸びるフィールドです。
ましてや売り手市場の現代ですから、ある程度、プログラミングができて、やる気があることを証明できれば、採用してくれる企業はたくさんあります。
私自身、前職はマーケティングとは異なるデータ分析をしていたので、実績は何もありませんでしたが、やる気で採用してもらえたところがあります。
また、データ分析に特化したベンチャー企業からは「入ってから育てるから」と言われ、お声がけいただいたこともあります。
確かに、最初は大きな企業でなくても、ベンチャー企業でデータサイエンティストのスキルを磨き、後に転職するというのも、一つの道だと思います。
入社してからデータサイエンティストに求められるスキル
データサイエンティストは、データ整形、仮説・検証、結果の解釈、これらが一通りできることが求められます。
しかし、この点を除くと、入社してから求められるスキルに特別なものはありません。
一般社員に求められるものと同じで、特にコミュニケーション能力はデータサイエンティストの職務を果たすうえで、最も重要な気がします。
データサイエンティストはシステムエンジニアとは違います。システムエンジニアはグループリーダーから指示を受け、プログラミングすることが多いですが、データサイエンティストはお客様と直接話をしてヒアリングするところも担います。
つまり聞き出す力、話す力が求められ、どちらかというとセールスマンに近い業務が多いです。
解析結果をどのように第三者にわかりやすく伝えるか、プログラミング以上に頭を使う部分になります。
「人と話すのが苦手」、「裏方が良い」という人は、データサイエンティストよりも、システムエンジニアのキャリアを選んだ方が良いと思います。
求められるITリテラシー
多くのお客様とお話する中で、いつも勉強不足だと感じる点はIT分野の知識です。
正直、データサイエンティストからしてみれば、「データ分析とITは違うもの」という認識ですが、関係ありません。
結局データ分析の結果は、最終的にシステムに落とし込み、実装していくため、ITの話は避けて通れないのです。
特にシステム系は聞き慣れない略語が飛び交っているので、その場しのぎで宿題として持ち帰ることが多々あります。
単にデータを分析して、結果を報告するだけのデータサイエンティストは、直ぐに用無しになるでしょう。
得られた結果から、どのようなアクションをとるべきか、そこまで介入し、プロジェクトを動かし、利益貢献できて、はじめてデータサイエンティストの価値が証明されると思います。
そのためには、データ分析以外に様々な知識が求められるので、いろんな部署の方とお話し、もちろん自分でも勉強を進め、知識の引き出しを増やすことが大切です。
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