リスキリングを目指すDX担当のメモ帳

データサイエンスを初歩から学んでいる筆者(DX推進担当)の学習記録です。

統計学が最強の学問である 感想

少々古いが、一時日本のデータサイエンティストブームを作り出したと言ってもいい本書、統計学が最強の学問であるを読んでみた。

 

著者の西内 啓さんは東大医学部出身の統計家である。その経歴からも分かる通り、医療系の統計学のエキスパートである様子。

 

さて、この本は、とにかくタイトル勝ちという感がある。

 

なぜ統計学が最強といえるのか、その理由が事例などを通して語られる。どの事例も「なるほどー」というようななかなか面白いものだった。

 

現在まで疫病などの社会問題の解決に統計学が非常に有効だったことや、医療の現場でもエビデンスを提示するのに統計学がフル活用されているということにつき認識を新たにさせられた。  

 

その他注目すべき点としては、この本でもランダム化比較実験という手法の話が出てきたこと。

 

これはデータの取り方に関する手法で、データを取る時点で、フェアに条件を揃えるというもの(いわゆるA/Bテストがイメージしやすい)で、取り扱いデータをランダム化することで「人間の制御しうる何物についても、その因果関係を分析できる」ために非常に強力、とのこと。

 

先日読んだ「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」という本でもその力強さが書いてあり、改めて重要な概念だなんだと理解した次第。引き続き深く学んでいければと思った。

 

また、いたずらにビッグデータ狂想曲に惑わされる必要がないことをデータで語っている部分(サンプルデータでもそれなりの精度での分析が可能で、ビッグデータを扱うコストとよく兼ね合わせて対応する必要があるという指摘があった。)も、参考になった。

 

この本は難しい部分もあるが、データや事例を使って、時に無味乾燥な統計の勉強にいい感じで味をつけて学びやすくしてくれている。

 

著者が統計家として、データを通じて人を納得させるプロだからこそだとは思うが、非常に訴えかけるものの多い本だった。

 

統計学がこれから出てくる社会の重要問題の解決のために大切であること、人生をどう良く生きるかの道標までを示しうるのだということ、などの気づきがあった。

 

マンガでわかる統計学などと一緒に読み返し更なる統計学の理解に進めて行きたいと思った次第。

 

*ちなみに、著者の言説にもう少し触れてみたいと思い、サラリーマンの悩みのほとんどにはすでに学問的な「答え」が出ている、という本も購入してみた。またここでも取り上げることにする。

 

 

 

 

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

データ分析の力 因果関係に迫る思考法 (光文社新書)

  • 作者:伊藤 公一朗
  • 出版社:光文社
  • 発売日: 2017-04-18
 

 

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